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古本とビールの日々


by oxford-N

オックスフォード便り 231 「ます亭」

運河に浮かぶナローボートの住人には「芸術家」が多い。胸おどる楽しい図柄も多いが、何を言いたいのかよく分からないものもある。たとえばこの軍人。日本刀かしら?
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ケーキに群がる蜂の図柄はファンタジーにあふれている。頓狂なウエイターの表情もいい。「はちとおじさん」というところか。
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1778年に開通したこの運河と平行に走っているのがグレートウエスタン鉄道である。18世紀と19世紀の交通手段が期せずして並んでしまっている。

鉄道は美しい田園の風景を破壊すると、ラスキンやワーズワスがこぞって反対したが、どうしてこんなにもうまく溶け込んでいる。逆に風景に絶妙な点描を加えているほどだ。
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「ます亭」に到着。程よい疲れがビールの味わいをいっそう深めてくれる。18世紀の宿屋から近代的なレストランに変貌し、週末は雑踏と化す。
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「本当にこの川にマスは生息しているのか」と聞きただすと、「もちろん、他にも色々いるよ」と即答。

Mさんご夫妻とここにやってきたのは6月初旬だった。あれからもう10か月もの歳月が流れたとは、この川の流れを見つめていると実感がわかない。
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テムズの傍流が水門から勢いよく流れ、春の到来に歓びをあらわしているかのようだ。月末の日曜日から「サマータイム」が始まる。季節の節目はすぐそこに来ている。
by oxford-N | 2009-03-18 20:19 | 日々の情景