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古本とビールの日々


by oxford-N

オックスフォード便り 72 「リル (1)」

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ブルージュ到着2日目は、当然、古本屋巡りにあてられる。お目当ての3店とも閉店。祝日と重なったわけだ。残念至極。

ショーウインドウのガラスがベルリンの壁以上に高く、厚く感じられる。手に取りたい本が手招きしているが届かない。この悔しさを何に例えようか。

不遇をバネに次の手をうつのが古書道の定石。リル・フランダースへひきかえり、古書展をのぞく。オペラ劇場の裏手で古書市が開かれていた。捨てる〈神・紙〉あれば拾う〈紙・神〉あり。

下鴨神社のフランス版だ。いざ、出陣!

金曜日だが多くの人を集めている。めぼしいものを次から次へと手にとって、絞り込んでいく。やはり革装丁が多く、手にズシリとくる。いい感触だ。
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リルはドーヴァーからも近く、英語の本も多く交じっている。英仏むつまじいのはいいことだ。それにしても英語からフランス語への翻訳の多いこと。

コナン・ドイル全集26巻揃えなどの横に、ミュッセ全集がある。皮の状態も良く美本だ。100ユーロは安い。でも今すぐという類の本ではないので、見送ることに。このように迷ったときは買っておくべきなのだが…。
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キップリングの『キム』が1800年代の皮装で、大版、美本で出ていたので求める。30ユーロ。横のバイロン詩集も欲しいが、『キム』をとる。

さすがフランスの古書だという品揃えの数々、つぎのブースへ早くも気持ちは移っていく。どんなドラマが待ち構えているのか、はやる心を押さえながら。(N)
by oxford-N | 2008-08-18 18:34 | ベルギー