古本とビールの日々


by oxford-N

カテゴリ:日々の情景( 22 )

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オックスフォード大学のボードリアン・ライブラリー。

どれくらいここへ通っただろうか。自宅にいた時間よりも長かったことだけは確かだ。今では自分の住居よりも親しみを感じる。

朝の9時に到着して、まず鉛筆を削る。削られたところから木のにおいがのぼり立つ。

請求しておいた本を取り寄せ、昨日の続きから読みだす。ノートを取り、検討をくりかえす。

高揚と挫折、その繰り返し。卑小な自己の世界と遠大な図書の世界。

幻惑でしかない蔵書に囲まれた幸せと悲哀。

ただ、ここで1年間を過ごせて本当に幸せだった。ありがとう。
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by oxford-N | 2009-03-28 15:49 | 日々の情景
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フランスの在来線では駅名はリル・フンダース、ユーロスターの駅名ではリル・ヨーロップとなる。古いリルの鉄道駅である。

在来線から下車し、ユーロスターの方へ向かうとこのビルが目に入ってくる。ユーロスターの路線上にドンとおかれている。

エル字型の建物でどうも座りが悪い。いつもひっくり返るのでは、という不安感に襲われる。

このようなビルの設計師はどのような感性でビルを描いたのだろうか。これは地震の国から来た者の妄想でしかないのか。
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by oxford-N | 2009-03-25 03:34 | 日々の情景
ユーロスターついでに、ユーロスターについて雑感あれこれ。
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車内はきれいで乗り心地もいい。発車・到着時間も言うことがないくらい正確そのもの。

あえて問題点をあげれば、乗車賃の差額が大きすぎることと座席の配分問題くらいか。

前者は3倍くらいの開きが同一日で生じることがある。もう少しこれをきめ細かく対応できないものか。

後者もコンピューターで管理しているのか、満席と空席が偏りすぎている。バランスのとれた席で旅を満喫したい。

細々したことをあげつらうようだが、日本の新幹線はユーロスターから料金体系を見習ってほしいと思う。第一高すぎる。

距離の問題があるので一概には言えないが、どうも3倍くらいの割高感がある。鉄道フアンの方はどう思われますか?
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by oxford-N | 2009-03-25 03:29 | 日々の情景
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ユーロスターで通勤しているという人にベルギーで出会った。ウィスキー鑑定家で毎週ロンドンの事務所へ出かけるという。

その足になるのがユーロスターというわけだ。この車体の優雅さとセント・パンクラス駅の古風さがマッチしているという。
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なるほど…。言われてみれば確かに。キングズクロスとも呼ばれているその駅に最近、シャンパンバーがお目見えして好評である。

1杯8ポンドと結構なお値段であるが、オリエンタル・エックスプレスに乗り込むような気分になり悪くない。

シャンパンを生牡蠣と組み合わせることもできる。こう考えると鉄道の旅はやはり速さだけを競うものではないようだ。
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by oxford-N | 2009-03-24 19:19 | 日々の情景
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オックスフォード最大の御馳走は近くの魚専門レストランで出される「魚・エビと貝類の盛り合わせ」である。

先日、T新聞社の方が御馳走してくださった。本当に「絶品」で、しばらくは声も出なかった。

美味しい表現にはいろいろあるが、友人に言わせると、「涙が出るくらいおいしい」とか「声もでないくらい美味である」というような段階ではだめだそうだ。

本当においしいと怒りだすというのである――「なんだ、これは!」と。

この時、牡蠣をつついていた私たち二人は本当に怒りだした。「日本の魚のバカ高さは何だ!政治が悪い。麻生をここへ呼べ!」

どうやら美味しさに感激したのではなく値段のようであったみたいだ。
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by oxford-N | 2009-03-24 01:57 | 日々の情景
運河に浮かぶナローボートの住人には「芸術家」が多い。胸おどる楽しい図柄も多いが、何を言いたいのかよく分からないものもある。たとえばこの軍人。日本刀かしら?
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ケーキに群がる蜂の図柄はファンタジーにあふれている。頓狂なウエイターの表情もいい。「はちとおじさん」というところか。
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1778年に開通したこの運河と平行に走っているのがグレートウエスタン鉄道である。18世紀と19世紀の交通手段が期せずして並んでしまっている。

鉄道は美しい田園の風景を破壊すると、ラスキンやワーズワスがこぞって反対したが、どうしてこんなにもうまく溶け込んでいる。逆に風景に絶妙な点描を加えているほどだ。
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「ます亭」に到着。程よい疲れがビールの味わいをいっそう深めてくれる。18世紀の宿屋から近代的なレストランに変貌し、週末は雑踏と化す。
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「本当にこの川にマスは生息しているのか」と聞きただすと、「もちろん、他にも色々いるよ」と即答。

Mさんご夫妻とここにやってきたのは6月初旬だった。あれからもう10か月もの歳月が流れたとは、この川の流れを見つめていると実感がわかない。
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テムズの傍流が水門から勢いよく流れ、春の到来に歓びをあらわしているかのようだ。月末の日曜日から「サマータイム」が始まる。季節の節目はすぐそこに来ている。
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by oxford-N | 2009-03-18 20:19 | 日々の情景
このところ「女王日和」がつづくのでさわやかだ。近くの運河は春のひねもすをゆったりと伝えてくれる。やはり水辺から春は上陸するのか。
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黄色い水仙が揺れる先には高級マンションがそびえたつ。でもこれが日本と逆で安い。古い使いこんだ住宅ほど人気があり空きは早々ないのが相場だ。
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自分にゴッホの筆先を神が与えてくれたら、一気に「はね橋」を不朽のものにしてみせるのだがあいにく写真で我慢するしかなさそうだ。
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1778年に開通したこの運河には面白いものが点在するがこれもその一つ。10人ほどの人が太極拳をしている横でぽつねんと立っていた。サーモンを燻製にする器具とにらんだのだが、ご存知の方はご教示ください。
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運河の住人はエコ派の人が多いが、これは究極の廃物利用であり、みごとなオブジェにもなっている。題して「永遠の肥料」。ピカソ作と言われたら、そうかと思ってしまいそうだ!?
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by oxford-N | 2009-03-17 04:16 | 日々の情景
友人がたくさん集まるというので、「ちらし寿司」を急遽つくりました。「こんなに手間がかかるものとは思わなかった」というのが正直な感想です。
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卵焼きからアナゴを煮るまで、すべて1品料理の過程をふむのだから時間がかかるのも当然といえば当然でしょうか。

アナゴは明石から空輸で運ばれてきた珍品。天然記念物並みに粗末に扱えない。そして期待通り、これが絶品です。

期待していた「太郎君」はもうひとつ活躍してくれませんので、マリリンとともに引退願いました。
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やがて何とも言えない煮汁と酢飯が渾然と一体になり、宇宙をつくりあげていきます。アナゴは大洋を泳ぎ、ここオックスフォードまでたどり着いたというわけです。

エビ、イクラ、サーモン、カニと名わき役も堅実に参加してくれ、すばらしいハーモニーを奏でます。

そして忘れてはならないのは生姜でしょうか。ジンジャーなるものと似ても非なるもので、酢との相性は日本文化そのもの。

これは説明不可能。これが先祖がえりをして、酢飯と一体になるのです。雄大な叙事詩です、もうこれは。

友達の輪が急速に固まったようです。「ちらし」ではなく、これは「まとめ寿司」です。

本当にごちそう様でした。
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by oxford-N | 2009-03-12 21:27 | 日々の情景
わが家へ来てくださる日本からの遠来のお客様は、魚料理をお出ししたら一様に「オックスフォードで魚があるのですか!?」と驚きを隠そうとはしない。
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フィッシュ&チップスが関の山とどうも思いこまれているようだ。これは「イギリス料理はまずい」とともに正さなくてはいけない偏見のひとつだ。

交通輸送と冷凍技術の格段の進歩により新鮮な魚が入手可能になったが、そのような外的な条件のほかにやはり健康志向という内因が大きく寄与しているのではないか。

残念ながらイギリスはヨーロッパで最大の肥満国である。町内の保険所が配布するパンフレットにも食生活の改善がうたわれている。つまり身体にやさしい栄養を、というわけだ。

その結果、近所にある、スコットランドに本部をおくフィッシュレストランが人気を呼んでいる。11ポンドで白ワインのつくセットメニューに注目が集まる。
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本日のスープが魚のエキスを渾然と溶かし込んでいて絶妙である。さる日本からの老夫人は「白いご飯が欲しい」と思わずこぼしたほど、郷愁に満ちている味だ。

それから3品のなかから1品を選ぶ。その日の浜に上がった魚によってまちまちだが、「カレイの煮びたし」はいつも注文する逸品である。これにコーヒーとパンがついてきて11ポンドである。

火曜日は魚の盛り合わせ、木曜日はムール貝の日と決まっていて繁盛している。ただ困るのは、先ほどのおばあちゃんではないが、「日本の白米、銀シャリ」が無性に欲しくなってしまうことである。
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by oxford-N | 2009-03-08 05:55 | 日々の情景
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どうやら気づかないうちに春がやってきたようだ。東京は今年初めての雪が降ったという。
どうなっているのだろう。

花屋の店先が季節にもっとも敏感なようだ。名前などどうでもよくなるくらい咲き誇っている。
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果物や野菜は季節感がなくなったとはいえ、値段に反映するのか、これ全部で6ポンド、日本円で840円くらいか。1週間の食料なり。

愛くるしいパプリカを見ていたら切るのがかわいそうになってしいまう。
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オックスフォードへ来てもどうやら花より団子らしい。
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by oxford-N | 2009-02-27 21:51 | 日々の情景