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古本とビールの日々


by oxford-N

オックスフォード便り 112  「フランクフルト・ブックフェア 1」

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朝の4時、始発のヒースロー行きのバスに乗りこんだ。いつもなら、仕事で朝起きるのに8時になってもベッドでぐずぐずしているというのに、本のこととなると目が全開するから不思議だ。

たった3人しか乗り合わせていないジェット機で、あっという間にフランクフルト着。ファーストクラス以上の余裕で乗ってきたわけだ。ルフトハンザまでが応援してくれているのかと、つい浮だってしまう。

1時間に1本が走っている、会場と飛行場を結ぶシャトルバスも、たった2分まっただけでやってきた。これは幸先がいい。

フランクフルトはこれで4回目だが、都心部の激変ぶりには驚かされる。ヨーロッパ1の高さのビルだとか、そんな景気のいい言葉が車内をいきかう。
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会場に着くや、これまで参加したロンドンブックフェアなどとは規模がけた違いだ。端が見えないくらい大きな会場で、文庫本などの小さな本がここに入っているのかと思うと愉快になってきた。

昨年の統計では、ほぼ28万5000人が来場したという。それはそうだろう。でも頭のなかの数字と、実際の人の波とはまったく異なる、ということをすぐに痛いほど味あわされることになる。

フランクフルト・ブックフェアは、遡ると印刷術を考案したといわれるグーテンベルグの15世紀から今日まで延々と継続してきている。

戦後、1949年、60業者があつまり再開したという。それからは膨張の一途をたどる。日本も1990年、名誉招待国になっている。今年はトルコである。

その時、参加した講談社などは一升瓶を大量に持ち込み、おでんを焚いて会場でふるまったという。今なら、気恥ずかしい話だが、バブルのころだったのだろう。会場を見回しても、日本の景気のいい話はどこにもなく、コミックだけが善戦している。
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会場見取り図をもらい、どのように見て回るか、作戦を立てることにした。この人混みを避けるには、やはり参加者が少ない古書部門から回ろう、と計画した。ところが移動しようにも一歩も動かない。

元日の参拝でもここまでに人波はない。本のブースをどのように見て回るか、というよりも、いかにこの波から逃れるかという方が、先決だ。

こうしてブックフェアの第1日目ははじまった。
by oxford-N | 2008-10-20 18:24 | 古本