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古本とビールの日々


by oxford-N

オックスフォード便り 155 「荒野のオークション」

久しぶりにボナムズのオックスフォード支店が書籍部門のオークションをするという。静かに燃えていたオークション魂がゆり起きてきた。

いままでは交通至便な駅前にあったのだが、今度は郊外に移りそこでやるという。バスに乗ってすぐだろうと安直に構えていたのだが、これが大きく予想を外れた。
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バスは1時間に1本しかない。しかも30分以上かかる距離だ。陸の孤島都はまさしくこのことである。

降りてみて、見渡す限りの原野が広がっていて、これは間違ったと思った。でも住民の一人に問いただしてみると、「右を折れたところだ」という。
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中古車センターの前にぽつりと立て看板があった。創業の18世紀を示す数字がかえって痛々しい。現在がその年であるようで、タイムスリップしたようだ。

歩くこと7分、入口で出迎えてくれたのは「仮設トイレ」…。帰るにもバスは1時間後しかない。寒くて泣きたくなる気持ちも凍ってしまった。
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原野に体育館のような大きな建物がぽつねんとある。水たまりに氷がはっている。財布を空にして全財産をこれからかけようとする意気込みもなえてきてしまった。

建物を回り入口にたどりつくと、数人がすでに下見をしている。どうやらこれは荒野の一騎打ちの様相を呈してきた。
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by oxford-N | 2008-12-09 05:55 | 古本