古本とビールの日々


by oxford-N

オックスフォード便り 194 「自転車の文化史」

自転車の文化誌は結構おもしろい。今日からみると信じられないが、自転車は、「路上の王者」と言われながらも、ほぼ半世紀以上、すんなりと路上を滑走してくれない。
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まず機械面で「安全性」がなかなか確保できなかった。タイヤが外れて大事故に至ったことも珍しくない。
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こうした難題も1870年代には克服されていく。日本も鉄道ではお世話になったが、日本製自転車は大いに寄与した。

もっとも面白いのは「女性と自転車の関係」である。自転車が女性の社会進出に大変な貢献をしたというのである。

女性の社会進出といえば必ず「服装」の問題がまつわるが、自転車も例外ではない。服装に合わせて自転車が改造されるという、じれったい「歴史」がある。

女性側は服装の工夫ばかりこらし、「急進的衣服の会」までたちあげて、乗車にふさわしい服を工夫するが、これがまた議論の種にー―「品がなく、女性らしくない」から。

とどのつまり、女性が自転車に乗るのは、はたして是か非かと議論かまびすしく蒸しかえっているところへ、ひとりの女の子が簡単に難題を解いた。

「男性用の自転車」に乗って、ブライトン―ロンドン間を往復してしまったのである。16歳のレイノルズ嬢はたちまち「英雄」になった。歴史を変えてしまったからである。
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歴史が変わる瞬間は、かくもあっけないものなのであろう。
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by oxford-N | 2009-02-03 17:46 | 古本