オックスフォード便り 240 「レース鳩」

かつて「鳩ブーム」なるものがあった。東京オリンピックのころの話である。すでに半世紀前になるか。3種類もの鳩雑誌が出回っていた。
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鳩を飼育して、「鳩レース」に参加させるのだが、その本場がベルギーであった。

鳩レースは競馬のサラブレッドと同様、血統がものをいう世界である。日本では古く明治からこのベルギー系統を「導入」して、陸軍、新聞社は大いなる「実験の場」であった。

このベルギーの鳩が日本に輸入され、いかなる経路をたどったかは、黒岩比佐子さんの文春新書に収められている「鳩文化史」の名著をひもといていただきたい。

一読三嘆が待っていることは受け合います。

鳩レースは、放鳩地から自分の住処までの距離までを測っておいて、放された鳩が帰舎まで何分かかったか、という分速で競い合う。

狭い国土のベルギーには最適の競技であった。スペインのバルセロナからフランス、ベルギー、オランダを目指すのが最大のヨーロッパレースである。1000キロ以上の距離がある。

その優勝鳩の血統は珍重され、かつて2度優勝した鳩に対して、3000万円の買値がついてマスコミをにぎわしたことがある。この額で建売住宅が2軒買えた時代であった。

現在は中国で鳩レースが盛んであるという。逆に広い国土を利用して3000キロのレースを実施したりしている。

ビールを飲ませるところには必ずこのような「銘鳩」の絵や写真が飾られ、こうした店で鳩の持ち寄りがなされた名残をとどめている。
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by oxford-N | 2009-03-25 18:36 | ベルギー