オックスフォード便り 146 「古書の村へ到着」
2008年 11月 27日
車中で「痛風」の日本語の意味を説明すると、「その通り、やはりいたもに東西はないのだ」とえらくご満悦だった。
英語のgoutは、語源からして「かたまり」のような即物的な意味しかないが、日本語では「風が吹いただけでも痛い」という風流な命名になっていると自慢してやった。
すると英語にも、同じ発音で「味覚、趣味」という風雅な語があると対抗してきたではないか。足は激痛でいうことが効かない分、舌がよく回るらしい。
日本語、英語の優越論を応酬しあっているうちに車は、古書の村ヘイ・オン・ワイへたどり着いた。
ある壁には柳原さん描く「サントリーおじさん」とそっくりのイラストがあった。
村はクリスマス一色である。何気なくのぞいたショーウインドーにトイレット・ペーパーの「クリスマス用」が飾ってあった。サンタさんがもよおしたときの非常用か?
ここまで徹底されるともう「どうぞ」という感じになってしまう。何はさておいても古書の国大統領のブースさんにご挨拶をと思い、古書城まで来て、意外なことをきいてしまった。
あの有名な創立者である王様は、引退してもうここにはいないという。奥様が後を取り仕切っているとか。感慨ひとしおである。感無量だ。
世界中に名を知らしめ、古本による村おこしの教祖様と崇められた人が引退とは…。歳月人を俟たず、とはかくのごとし。
そうなると1軒目は、ブース書店へ足を向けるしかない。いざ、いかめやも。
by oxford-N
| 2008-11-27 03:34
| 古本